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映画『空気人形』

私のだいだい大好きな監督。是枝裕和監督の作品です。
もう1年近くたつのですね。2009年9月公開の映画。
公式サイトはここ

映画『空気人形』

【STORY】
私は「心」を持ってしまいました。持ってはいけない「心」を持ってしまいました
古びたアパートで持ち主である秀雄と暮らす空気人形。
ある朝、本来持ってはいけない「心」を持ってしまう。
秀雄が仕事に出かけると、洋服を着て、靴を履いて、街へと歩き出す。
初めて見る外の世界で、いろいろな人間とすれ違い、つながっていく空気人形。
ある日、レンタルビデオ店で働く純一と出会い、その店でアルバイトをすることに。
密かに純一に想いを寄せる空気人形だったが…。
「心」を持つことは、とても嬉しくて、とても切ないことでした”

【感想】
映画の中でこの映画を象徴する詩があります。
詩人吉野弘さんの「生命は」という詩です。
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生命は
自分自身で完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする

生命はすべて
そのなかに欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ

世界は多分
他者の総和
しかし
互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず
知らされもせず
ばらまかれている者同士
無関心でいられる間柄
ときに
うとましく思えることさも許されている間柄
そのように
世界がゆるやかに構成されているのは
なぜ?

花が咲いている
すぐ近くまで
虻の姿をした他者が
光りをまとって飛んできている

私も あるとき
誰かのための虻だったろう

あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない
-------------------
空気人形は心をもったけれど、体の中は空っぽです。
空気がないとしぼんでしまう。
でも、いっぱいつまっているはずの人間も、
同じようなもの、人間も空っぽだと言います。

互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず

私も誰かのための虻となっている
誰かが私のための風になっている
そんなつながりに気付いた時、人は空っぽではなくなるのかもしれません。
空気人形が人と出会うことで、心をもったと感じたように。



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    Posted by rika_rika at 15:08│Comments(0)Colors
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