映画
『春との旅』を観てきました。
仲代達矢がインタビューで、
「長い役者人生の中でも、この脚本の出来栄えは150本中、5本の指に入ると感じた」
と言わしめた映画。
となれば、観ないわけにはいかないでしょう!!
公式サイトは
ここ
※音がでるので注意
※映画観た後にこの音楽聞くと、泣きそうになります(涙)
<STORY>(公式サイのイントロダクショントから)
あなたは今誰と暮らしていますか
家族とですか。恋人、あるいは友達とでしょうか。それとも一人ですか。
今、ぜひあなたにお話したい物語があります。
それは或る老人と孫娘のことなのです。
その老人は若い頃、北の海で漁師として荒削りに生きてきた男でした。
今では妻を失い、財産もなく、体を壊して、孫娘の世話を受けています。
孫娘の母は数年前に他界し、この世には居りません。
老人の名は忠男、孫娘の名は春、といいます。
春は、増毛の町で小学校の給食係として嫌気に働いていましたが、
廃校になり職を失いました。
思案の末、東京に出て仕事を探そうと思いたちましたが、
身体不自由な忠男は一人で生きていけません。
とは言え、将来のある若い春をいつまでも束縛するわけにはいきません。
そこで忠男は、疎遠となっていた親戚縁者たちに、今後の世話を頼もうと考えます。
寂れた海辺の家をあとに、忠男と春は旅に出ました。
落ち着く棲家はあるのでしょうか。
兄夫婦、気丈な独り身の姉、弟夫婦を巡り歩く老人と孫娘の二人旅。
それは忠男にとって、否応なく過去の出来事や感情と向き合わざるを得ず、
春もまた祖父の肉親葛藤をまざまざと見、そこから目を背けるわけにはいきません。
・・・(省略)
どうか皆さま、祖父と孫娘の旅を見つめてください。
よろしければこの旅にご同行ください。
<感想>
私は、プロフィールにも書いているように「ロードムービー」が好きです。
この旅にご同行ください。
とあるように、
ロードムービーでは観客である自分もまた旅に同行することになります。
キャリアカウンセリングに近い体験といっていいでしょう。
他人の人生を共に語りなおす、生きなおす体験
今回の主人公、忠男と春。
忠男は孫娘のために、プライドを捨て、いや、捨てきれないが故に、
親戚縁者に、不器用にぶつかります。
相変わらずの忠男に、
いや、以前の羽振りの良い忠男ではない落ちぶれた忠男に
突然ぶつかられた親戚縁者は、
肉親だからこそのわだかまりを、
肉親だからこその、分かち合いたかった想いをぶつけることになります。
カウンセリングでも、よく家族への想いがぶつけられます。
本来であれば、家族にぶつけられるはずだった想い。
この映画では、
春の存在が、忠男と忠男の兄弟の間に、これまでとは違う繋がりをもたらしました。
春がいるから忠男は昔の思い出を語ります。
春がいるから、忠男は兄弟にぶつかります。
春がいるから、兄弟も忠男の春に対する気持ちを感じとることが出来ました。
家族との関係
自分が由と思って選択した仕事、人生
忠男が否定せずにいられたのも、
”それでいい”と確信してくれる春の存在がありました。
そしてクライマックス。
春もまた、1つの選択をすることになります。
忠男の旅を通して、自分もまた自分の人生を語りなおす、生きなおす。
これもまた、キャリアカウンセリングで起きることです。
私は、他人の人生に寄り添うことで自分の人生を生きなおす
そんな有難い仕事についています。
あーいい映画だった。
まだ5月ではありますが、今年観た中ではベスト1