恩送り

rika_rika

2010年12月02日 14:05

【恩送り】という言葉をご存知ですか?

Wikipediaを見ると、
【誰かから受けた恩を、自分は別の人に送る。
そしてその送られた人がさらに別の人に渡す。
そうして「恩」が世の中をぐるぐる回ってゆくということ】
だそうです。

私は、母親の実家が浄土真宗のお寺だったせいか、
母親が父親に嫁いだ後も、毎月お坊様が家に来ていて、小学校にあがる前からお説教を聞いていました。
当時の私には難しくてよくわかりませんでしたが、
温かくて安心できるオーラーの持ち主であるお坊様の言うことだから、
そして、なによりも母親が有難く頂戴している様をみて、
大事なことを言っているのだろう、大切にしなきゃ
と幼いながら思っていました。

そして、物心ついてから、
特にキャリアカウンセリングの勉強をはじめてから、
人の相談をうけるようになってから、
お坊さんが言っていたことが、あーそういえば!と呼び起こされるようになりました。

【恩送り】もその1つです。
行いは、巡り巡って廻ってくる。

今は形式的なお葬式でのお布施や食事の振る舞いですが、
これも、もともとは【恩送り】だったようです。

お坊さんにお布施を渡すことは、
故人を支えてくれた人に、恩返ししたくても返しきれない。
だから当時、公的な場であるお寺に寄付することによって、
将来、不特定多数の人が、その恩恵にあずかりますように。
との恩送りの精神から生まれたようです。
食事の振る舞いもそうです。
ご馳走が珍しかった時代に、近所の子どもをはじめ、
恩を受けた人にだけでなく、不特定多数の人に振舞われました。

恩送りは、お金や物品だけではありません。
私のキャリアカウンセラーという仕事も恩送りだと思っています。
私は、キャリアカウンセリングをしている時、誰かを支援しています。
しかし、その誰かは、その後、仕事で何かを生み出したり、子どもを生み育てたりして、
私は、その恩恵をうけているのです。
決して、一方的な関係ではありませんし、
恩を与えた人から直接、恩返ししてもらっているわけでもありません。
一人一人、自分ならではの恩送りの方法があるからこそ、
世の中はまわるのかもしれないなと最近考えています。

巡り巡って

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